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演劇企画CRANQ
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絢爛とか爛慢とか最後の想いとか

吉田です。

公演がおわって約ひと月‥‥
久しぶりの更新になってしまい、ゴメンなさい。

いつもなら、千秋楽が終わってすぐに、公演を振り返り、何か抱負を掲げて、心機一転、新たな一歩を踏み出したりしているのですが、なかなかどうして、そんな気持ちが湧いてこなくて、ボンヤリしているうちに2月も終わってしまいました。

でもそろそろ『絢爛とか爛慢とか』にお別れしなければなりませんね。

モボ&モガ

演劇企画CRANQ、2回目のお祭り、いかがだったでしょうか?

まずは、ご来場くださったあなた。 遠くから見守ってくれたあなた。
一緒に駆け抜けてくれた共演者のみんな。
いつも支えてくれるスタッフの皆さん。
みんなのおかげで、充実した、濃くて熱い公演をする事が出来ました。

色んな人が支えてくれたから、そして楽しみに待っていてくれる人がいたから、この公演を最後まで駆け抜けるコトができたんだと思います。
本当に、ありがとうございました。


正直、2回目はないと思っていました。


前回、第1回目の公演のお話。

声優がちょっと手を出したような舞台の素人だったボクも、劇団での公演、客演などなど、数えてみたら20本以上の舞台を踏んでいました。

舞台作りのノウハウも判ってきて、だからこそ、自分を試してみたくなりました。
一からお祭りのような舞台を創ってみたくなったのです。

なんでそんなコトを思ったのか? 正直ホントのところは分かりません。
でも何となく感じていました。
経験を積めば積むほど、色々な意味で、信じ続けるパワーが弱くなってきているんじゃないか?
だからこそ「信じ続けるパワーをくれる舞台を創りたい」と強く思うようになったのかも知れません。

この業界に身を置いていると、小さな裏切りがいっぱいあります。
みんな本気で裏切っているわけではなく、それを正義と信じての行動だったり、自分が損をしないための防御行動であったり、気まぐれだったり‥‥
そのひとつひとつの裏切りは、決して悪ではないのかも知れません。
でも、それを裏切りと感じる弱さがボクの中にあるんです。

それは舞台を創っていてもたくさんあります。
舞台はある意味、お祭りと一緒で、熱狂の中で走り続ける、苦しく困難な作業ばかりです。
その熱狂の中にあっても何かを信じ続けて、「やってやるぞ!」と思ってがんばり続けます。

でも、『アレっ、こんなはずじゃなかった。君の覚悟や想いはそんなモノだったの?』
ということが、経験を積むほど、多くなってきた気がしました。

だからせめて、自分がやりたいと言ったときに、みんながどのくらい振り返ってくれるのか?
『よし! 一緒にやろう!』と言ってくれる仲間がどれくらいいるのか?
どこまで覚悟を決めて本気になってくれるのか?
そんな仲間と舞台を作ってみたい。
そういうパワーのある舞台を創ろうよと旗を振りたくなったのです。

そうやって旗を振って、みんなで汗だくになって神輿を担いで、バカな一発の花火を打ち上げるような、そんな『祭り』をしてみたくなったんです。

だからCRANQには「客演」という言葉は存在しません。
お客様の出演者はいないからです。お客様とそうでない人の格差は存在せず、出演する全員がCRANQの劇団員であり、仲間であり、中核をなすクリエイターであれ。

それが何年か前にボクが演劇企画CRANQを始めた勝手な理由と理想です。

祭りを楽しんでいる人は必ず素敵な顔をしています。
本物だな、生きてるなって顔をしているんです。
だからCRANQは、そんな祭りを楽しむことを知っている人に声をかけて、一緒にバカな大騒ぎをしてみたいと思いました。

そうしたら『信じ続けるパワー』をもう一度、信じることができる気がしたのです。
それはもしかしたら成功には程遠いモノかもしれない。
最初に望んだことは叶わないかもしれない。苦しいことだらけかもしれない。
けれども、信じ続けたことの証は確実に記憶に残るんじゃないか、って。


そう信じてがんばった前回の第1回目が終わった時、こう言われました。

「君には失望したよ」

ある人に言われたその一言が、ずっと胸に突き刺さっていました。
今までにないくらい、鈍く、でも深くシッカリと、かなりのダメージをともなって。

演劇を創る現場での幸福な数多くの出会いと同じくらい、多くの失望や落胆を、ボクは出会った人に感じさせてしまいました。
ボクは信じていたんです。
本当にツライ環境を乗り越える時こそ、ドキドキワクワクして、焦って緊張して、だからこそ、サイコーの幸せがその先に待ち構えていると。
でもその理想は、やはり理想でしかないと思い知らされました。

ダメージは大きかったようです。
第2回目をやる勇気はどうしてもありませんでした。


あれから3年。
きっかけは、偶然の呑み会。そこでの話で、また、お祭りをしてみたくなりました。
企画は動き出しましたが、まだ、ボクの中には不安がありました。

そんな『絢爛とか〜』の企画が始まったその矢先、3・11がおこったんです。

誰にも言いませんでしたが、親しかった友人が死にました。
むかし一緒に舞台に立った俳優で、いまでは引退して実家で家業を手伝う、ふるさと想いの熱い男でした。
ボクが舞台の連絡をすると、必ず上京して観に来てくれるヤツでした。
お土産でくれる、実家で作った漬物を、ボクは毎回楽しみにしていました。

自分の感情を発信したり、人に楽しんでもらうコトが結果的に、自分の為になることを生業とするボクは、あれから、自分の為にがんばるコトに罪悪感を感じるようになりました。

こんなことをしていて、いいんだろうか?

友人のお葬式のために、ヤツの実家があった場所に行きました。
テレビでみた瓦礫の大地は、腐敗の匂いがしました。
被災地は、壊滅。ホントに、壊滅。

ボクは、泣くだろうと思っていました。
死に覆われた被災地を見て、きっと身動きができなくなるだろうと。

でも、不思議と涙は出ませんでした。
それどころか、ボクは瓦礫や泥の中をガシガシと歩きまわっていました。
そしてその泥の中に咲いている花や、動き回る虫を見つけて少し嬉しくなっていました。

ボクは徹底的な死と壊滅の中で、それでも生命を探していたんです。

生きているモノが、生きている人が嬉しかった。

ボクは心を決めました。
得体の知れない闇に負けちゃいけない。

それでも世界は美しいと、ボクたちがまた信じられるために、ボクは日常をしっかりと生きていこうと決意しました。
そのために、日常が日常として動じないモノを、しっかりと描きたいと思いました。

それが、暗闇の中のささやかな光になるなら、ボクたちを少しだけ前に向かせてくれる、希望の光になるなら、喜んで笑顔になろうと、決意しました。

『絢爛とか〜』は昭和初期の話です。
あの、関東大震災の数年後に、それでも青臭く前を向いて物語を紡ごうとしていたクリエイターの生き様の話なんです。

だから、今回の芝居のテーマは「希望」であり「日常」です。
「青臭い芝居」になればいいと願っていました。

芝居創りや役作りに関して、あまり物事をゴチャゴチャと理屈っぽく考えたり、ネガティヴに悩んだりはしない、それが生きているボクが全力でできる最善のこと。
そんな風に信じて。

こんな状況で、芝居なんて、ムダなことを全力でやろうとしてるってのに、ネガティヴになるなんて、それこそムダなこと(笑)

ネガティヴになったり、暗い顔になるなら、やめちまえ。
イイものを創ろうと玄人気質になるあまりに、プレッシャーで委縮したり、アタマでっかちになって、顔を上げることができなかったり、果てしない劣等感とか、逆境をポジティヴに考えられない、そんなデリケートな感情こそが、今、最もいらないものなんだ。

どんなときだって人間の創造力は果てしなく自由で、何にだってなれるし、どこへだって行ける。芝居創りなんて、たったそれだけのこと。
でもそれが多分すべて。

俳優だけに没頭できないからこそ、舞台創りの過程を、クリエイティヴに楽しみたい。
本当に自由に純粋に、舞台創りの面倒臭さ全てを愉しみたい。

果たしてどこまでやりきれたのか? ホントのところは分かりません。

まだまだやり足りないことはたくさんあるでしょうね。
もっとできたはず。


台詞の難しさ、長さ、その構成や、複雑さ、2バージョン公演という公演形態も大変でした。
最後のボクの長ゼリなんて、気持ち的にはどっぷり入り込みたい内容なのに、なかなか稽古できなかったりして。
正直、本番の5日くらい前までは、“これヤバイんじゃないか”って思ってました。
舞台に上げられるクオリティになるのか? 本当に不安でした。

同世代の共演者のみんなもそう思っていたのでしょう。
最後の役者たちの集中力は凄かった。
みんな本当に真剣に稽古をしました。

今回、とても嬉しかったのは、この同世代の役者と一緒に芝居創りができたこと。
ボクが言うのも何ですが、みんないい役者だと思いました。
最後まで真剣に、ぶつかり合い、助け合いながら、作品創りができたことを心から嬉しく思いました。

バカたち(笑)


そして何より、劇場に来てくれたみんなの顔が、はじめはどんな感じだろう? という雰囲気から、最後はみんな泣いて、そして笑顔になってくれたことに感動しました。


今回、これで最後だと思ってやったCRANQ。

終わってみて、とても大切なモノを得ました。
そしてやはり、何かを失いました。

でも、前回とは確実に違うことが一つあります。


第3回公演をやりたい。


そう思えていること。

進むことで何かを失い、失うことで前進する。
流れるまま、傷つきながら進むしかないのかも知れません。


最後に、
観に来てくれたファンのかたからの手紙に、こんなコトが書いてありました。

「〜〜震災以来、ずっと気持ちが落ち着かず、何か出かけることもためらう気持ちでおりました。
東北自体、まだまだという雰囲気は否めません。
地震も収まった感じは無く、遠出する際は、何かあるかもという思いに囚われていました。
こんな状態でしたが、吉田さんが巴投げされた瞬間から、どんどん引き込まれていきました。目が覚めた感じです。
うまく言えないのですが、生きている熱みたいなものを、吉田さんから分けてもらった気がしました。輸血みたいな感じで〜〜」

東北からわざわざ観に来てくれた女性です。ホントに感謝です。
一人でも、こんな風に言ってくれる人がいるなら、ボクは舞台に立っていられます。また、願晴ろうと思えます。
本当にありがとう。

絢爛とか爛慢とかも、本当に大変な公演でした。
でもだからこそ、忘れられない冬になりました。

あらためて、皆さまに心からの感謝を。
本当に、本当にありがとうございました。

第3回公演も、皆さんに楽しんでいただけるように精一杯がんばります。
楽しみにしていてくださいね。


また、絶対に。


舞台

by 吉田智則


稽古場日記23:58comments(3)trackbacks(0)
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コメント
『絢爛…』を見た時に、キャストの中でも一際吉田さんからは、ただならぬ気魄を感じていたのですが、これを読んで、その理由が分かった気がしました。
お疲れさまでした。素晴らしい舞台でした。
| kokoro | 2012/03/04 9:32 PM |

お疲れさまでした。
素敵な舞台本当にありがとうございました。

吉田さんのブログはすごく惹かれる美しい文章ですね(´`*)
最終日は誇張なしで、ブログの文章に惹かれたのでモガもモボも見させていただきました。

本当にどちらも熱意がこもった素晴らしい演技で感動しました!!
しばらく先になってしまうようではありますが、3回目、期待して待っています(^O^)!
| ま | 2012/03/06 8:44 PM |

編集お疲れ様です。
延期になったのは少し残念ですが、その分クオリティーが上がった物が完成すると信じております。

楽しみに待ちますので良い物を期待してます。
| マッシー | 2012/07/24 8:39 AM |

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※適当に改行入れてくださいませ(特に半角文字使用の場合)





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